2024年度 講義
創造と継承とアーカイヴ:領域横断的思考実践
担当:李美那、平諭一郎
木曜6限(オンライン配信)
本授業は、アートの創造とアーカイヴを柱に据えて、社会のさまざまな現象を縦横に語ります。アートの世界で起きていることが社会にいかなる可能性を開くのか、社会の変革や学問的変革がアートにどんな力となるのか、多分野の専門家とともに領域を横断して議論していきます。
今年度は「複層・輻輳」をテーマに、生命科学・ミュージアム・音楽・都市・身体・建築・街・美術史・伝統芸能など多様な分野の専門家を毎回ゲストに招いて、領域横断的な授業を展開します。
複層:積み重なって層の厚みをまして行くこと、輻輳:様々なものが一箇所に集中してしまい混乱や障害をきたす状態。音読すると同じで、集まってくることは同じだけれど、そこに発現する状況は非常に異なる。アートの視点からこの異なる「フクソウ」を混合し解きほぐし、新たな創造へとつながる思考を探る、こんなことを大きなイメージとして持って、一年間、様々なゲストをお招きします。
第1回:アートの社会的インパクト
ゲスト:日比野克彦(アーティスト、東京藝術大学 第11代学長)
第2回:美術学校での「展示」の歴史をひもとく(仮)
ゲスト:芹生春菜(東京藝術大学美術学部近現代美術史・大学史研究センター 学術インストラクター)
第3回:知っているようで知らない、上野の杜と藝大キャンパスの文化的積層(空間・建物編)
ゲスト:君塚和香(東京藝術大学キャンパスグランドデザイン推進室 特任助教)
第4回:上野キャンパスガイドツアー *対面開催
ゲスト:君塚和香(東京藝術大学キャンパスグランドデザイン推進室 特任助教)
第5回:日本における西洋音楽史――日本で日本人が異国の歌を歌う身体性はどうやって身についたのか
ゲスト:松井康司(桐朋学園芸術短期大学教授)
第6回:アーティストが読むコレクション:活用と表現(仮)
ゲスト:藤田瑞穂(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA チーフキュレーター)+田村友一郎(アーティスト)
第7回:生命美学
ゲスト:岩崎秀雄(早稲田大学理工学術院 教授、metaPhorest主宰)
第8回:音楽学校の歴史(仮)
ゲスト:仲辻真帆(東京藝術大学大学史史料室 学術研究員)
第9回:アーティスト・イン・レジデンスの現在
ゲスト:服部浩之(キュレーター、国際芸術センター青森館長、東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻 准教授)+髙橋銑(アーティスト)
第10回:ベネツィア・ビエンナーレ日本館で個展をすること(仮)
ゲスト:毛利悠子(アーティスト、東京藝術大学大学院美術研究科グローバルアートプラクティス専攻 准教授)
第11回:能楽堂での体験授業 *対面開催
ゲスト:水上優(東京藝術大学邦楽科能楽宝生流 准教授)、田嵜甫(同 非常勤講師)、辰巳和磨(同 教育研究助手)
第12回:受講者によるプレゼンテーション
ゲスト:李美那(東京藝術大学美術研究科グローバルアートプラクティス専攻 教授)+平諭一郎(東京藝術大学未来創造継承センター 准教授)
第13回:東京そして上野を巡る都市の形成
ゲスト:長谷川香(東京藝術大学建築科 講師)
第14回:キュレーション現場の複層と輻輳――Museum curator と Independent curator
ゲスト:山峰潤也(キュレーター)+鷲田めるろ(キュレーター、十和田市現代美術館館長、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科 准教授)