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2024.2.24

3/24:国際シンポジウム「未完の修復」のお知らせ

「修復」という語には「不完全なものを、元通りになるように正しく修正する」といった、どこか厳格な雰囲気が感じられます。
しかし、絵画や彫刻のような美術作品に限らず、土器のような考古遺物や、寺社に代表される古建築、祭りや舞踊などの民俗芸能、大量生産された既製品を用いる現代的な芸術作品において、「修復」や複製による「復元(再現)」は、それぞれに異なる理念や手法が用いられているようです。
「修復」という作品への介入は、はたして唯一無二で完全な回答があるのでしょうか。人類学者の古谷嘉章さんは「未完の修復」*という語によって、ひとつの完形にこだわらない、選択の幅があるような開かれた修復のあり方を提言しています。
本シンポジウムでは「修復」というものを広く捉えて、物質的なものだけに留まらない、オリジナルとはなにか。誰が「修復」を求め、その方向性を決定していくのかについて、ともに考えていきます。

この取り組みは、美術作品の保存や修復業務に携わりながら、保存修復学を理論的に研究している田口かおり(京都大学)と、領域横断的な芸術の継承をもとに新たな表現へとつなぐ、クリエイティヴ・アーカイヴを推進している平諭一郎(東京藝術大学)の共同企画です。今後も継続的に、芸術の時間性や再現性を問い直す活動を続けてまいります。

* 参照:古谷嘉章、石原道知、堀江武史『縄文の断片から見えてくる――修復家と人類学者が探る修復の迷宮』古小鳥舎、2023年

日 時:2024年3月24日(日)14:00-17:30
場 所:東京藝術大学上野キャンパス・国際交流棟3Fコミュニティサロン   
言 語:日本語/英語
主 催:東京藝術大学未来創造継承センター、京都大学人間・環境学研究科田口かおり研究室
助 成:JSPS科研費23K00189

参加方法:以下のお申込みフォームから参加登録をお願いいたします。(先着順50名に達し次第、締切ります)
https://forms.gle/RJFhqbPKxWmPZdxt7

*定員に達したため、受付を終了いたしました。 多数のお申し込みありがとうございました。

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